迷走:元気象庁予報官・鈴木和史のコラム(第9号)~気象予報士の知識が高まる わかりやすい解説~
- 許斐知華

- 3 時間前
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●鈴木和史先生のご経歴
・気象大学校卒業
・気象庁予報課予報官
・気象衛星センター解析課長
・宮崎地方気象台長
・鹿児島地方気象台長
●迷走【元気象庁予報官・鈴木和史のコラム】第9号
(2022.10.10メルマガ配信 原文のまま)
台風11号が沖縄付近で動きを遅くしたとき、「台風が迷走する」という表現があった。気象庁の予報用語では「迷走台風」は使用せず、「複雑な動きをする台風」と言い換える。台風が弱風場に入り動きが遅くなる時や進路予想が難しい時に用いられるようだ。私が予報見習のころ、迷走台風といったら先輩予報官から叱られた。
「台風は大気の条件に従って動いているのであって、台風自身が迷走しているわけではない。迷走しているのはお前の予報だ」と。予報の難しさを台風のせいにするのではなく、気象の真理を追究しそれに基づけば適切な予報ができるはずだからもっと精進せよとの教えであった。
あれから数十年、、、、さて11号の予報はどうだったか?
台風経路図(図1)からわかるように、沖縄付近で動きが遅くなりその後北上に転じた。

台風がまだ西進していた8月29日の進路予想図(図2)では、9月1日にかけて西進を続けその後北上する予想となっている。速度の遅速や予報円の大きさを別にすれば、ほぼ適切な進路予報であったと言える。これは気象関係者のこの数十年のたゆまない精進の結果である。

一方気象予報士は、日々精度を上げつつある気象予測を正しく理解し適切に伝えているだろうか?「予報円が大きくまだ進路が定まっていません」といった安易な常套句で逃げていないだろうか?伝える側にも精進と工夫が求められる。

元気象庁予報官・鈴木和史のコラム
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