top of page

上空の前線を考える③(ジェットストリークの鉛直循環):元気象庁予報官・鈴木和史のコラム(第6号)~気象予報士の知識が高まる わかりやすい解説~

~メルマガで大人気のコラム第6号をブログで公開!~


コラムを書いた気象予報士は気象庁予報官や気象台長を歴任









TeamSABOTENの奥田純代です。

サボテンの無料メールマガジンで大好評の連載コラム

【元気象庁予報官・鈴木和史のコラム】第6号を公開します。

気象予報士の方も受験生にとっても知識が高まる、わかりやすい解説です。


「過去のコラムをみたい!」というご要望にお応えして

このブログで2022年5月に連載を始めた第1号から順に掲載しています。

最新号のコラムは無料メルマガに登録するとご覧いただけます。


●鈴木和史先生のご経歴

・気象大学校卒業

・気象庁予報課予報官

・気象衛星センター解析課長

・宮崎地方気象台長

・鹿児島地方気象台長



●上空の前線を考える③ジェットストリークの鉛直循環【元気象庁予報官・鈴木和史のコラム】第6号

(2022.8.19メルマガ配信 原文のまま)



前回は、東経140°に沿った鉛直断面図からJS(ジェットストリーク)の鉛直構造の特徴をみた。では、こうしたJSの構造は予測可能なものだろうか?(図1)20日21時を対象とした国内航空路予測断面図12時間予報FXJP112(6月20日9時初期値)で、予測をチェックしてみる。


国内航空路予測断面図 ジェットストリーク

これは、東京から札幌に向かう航空路沿い(図中青実線)の鉛直断面図予想を切り出したものである。前回の高層断面図AXJPとは左右(南北)が逆になっていることに注意。等風速線(細破線)の80kt以上を緑で色塗りした。札幌のやや南の上空250hPa付近に100ktの強風コアがあり、このコアのすぐ下層から、325Kと330kにはさまれた相対的に密な等温位線(赤実線)が仙台付近の550hPaまで傾いていて、これが上空の前線帯にあたる。この前線帯に沿ってVWS(Vertical Wind Shear:鉛直方向の風速差)の大きな領域(桃色破線)が存在し、ここではCATの発生可能性が高い。このように、JSについて、ほぼ適確な予測が行われていた。


さて、本題のJSでの鉛直循環を示そう(図2)。


ジェットストリークの循環モデル

JSの入口側では暖気側で上昇し寒気側で下降し、JSの出口側では寒気側で上昇し暖気側で下降する鉛直循環が発生する。出口側はその逆の鉛直循環となる。北半球では、地衡風が収束して速度が増す流れ(つまりJSの入口側)では、流れに対し左側に加速するような非地衡風成分の力が働く※。この非地衡風の加速度成分によって、入口側では寒気側に収束、暖気側に発散が生じる。圏界面から上空には空気は移動しないので、対流圏上部で収束部分の空気は下降流となり、発散部分では下層から空気の補充されるので上昇流になるというわけだ。このようなJSに伴う鉛直循環は対流圏上部の現象だから、上層雲の発生を促すかもしれないが、下層の天気に直接影響を与えるものではない。ただし、JSの鉛直循環で上昇流となる場所(入口暖気側や出口寒気側)は、対流を発生させるわけではないが下層で発生した対流活動を強める働きがあると考えられる。


今回はかなり難しい話になったが、要はJSの入口暖気側(Ⅲ象限)と出口寒気側(Ⅰ象限)は、対流を助長する場であることを覚えてほしい。次回は、このJSの鉛直循環に焦点を当てて、先日の山形新潟での大雨を考察してみる。


※「増速場では地衡風の左方向に非地衡風の加速度成分が発生する」ことの筆者の個人的な理解の仕方(図3):地衡風はコリオリ力と気圧傾度力がバランスした状態である(図3

左)。地衡風より強い風が吹くと、その風速に対応したコリオリ力が働くから、地衡風の時のコリオリ力より大きくなる。この時、気圧傾度は変わらないから、気圧傾度力と強まったコリオリ力はバランスが取れなくなる。このバランスをとるように、地衡風の左方向に加速度が発生する必要がある。(これもあえて理解する必要はないかも(-_-;))


増速場では地衡風の左方向に非地衡風の加速度成分が発生する


記事を書いた気象予報士は気象庁予報官だった









元気象庁予報官・鈴木和史のコラム

次回は「上空の前線を考える④(ジェットストリークと対流強化)」です。お楽しみに・・・☆



TeamSABOTENのサブスク・月額コースは100を超える動画が見放題!

●気象予報士受験生向けサブスク

学科から実技まで学習を手助けする副教材がてんこ盛りで月額4,400円

毎週金曜日に新しい動画教材をアップ!月に1~2回はライブ講座も開催

SABOTEN'sCAMP 気象予報士合格サポート サブスク 動画教材


●資格の有無に関係なく気象を楽しみたい方向けサブスク

ライブに参加し放題、動画見放題で月額2,970円

元気象庁予報官によるオンラインライブ講座は月3回開催

そのうち2回は最新の天気図を使った【予報官の気象ブリーフィング】です

TeamSABOTENの無料メルマガで大人気「元気象庁予報官・鈴木和史先生のコラム」の内容をさらに詳しく解説する【予報官のコラムLIVE】も大好評

SABOTENMATE 気象を楽しみたい方向け サブスク



第65回気象予報士試験に向けて!

●TeamSABOTEN気象予報士スクールからのお知らせ


TeamSABOTENでは、合格のための様々なコンテンツをご用意しております。

ぜひご活用ください。


合格者が勧める!【全国統一予報士モシ <直前>】受付中! 模擬試験と解説ライブのセットは2026年1月5日(月)正午まで受け付けています

※採点・添削・成績表サービスは締め切りました

全国統一予報士モシ 気象予報士試験 実技対策


試験で点をとる講座 気象予報士試験 実技対策


第64回気象予報士試験実技解説 実技過去問解説


模試付き総合パック 気象予報士試験


実技完全パック 気象予報士試験実技対策


気象予報士合格模擬試験 オリジナル模擬試験


この記事を書いた人

TeamSABOTEN 気象予報士・気象防災アドバイザー 奥田純代



TeamSABOTEN 気象予報士スクール

当スクールでは、学科分野から実技分野まで気象予報士試験に合格できる様々なオンライン講座をご用意しています。 また、長年 オリジナル模擬試験も作成・販売しており、 “ 気象の本質がよくわかる ” と 受験生に大好評です。 気象予報士の資格取得後は、気象の専門家を目指してスキルアップできる環境も整っています。

コメント


気象予報士試験に役立つ無料メルマガ登録