Pythonで可視化!鉛直断面図だからわかる台風23号の構造②中心はスカスカだけど水蒸気たっぷり
こんにちは。TeamSABOTENの気象予報士スクール講師・奥田純代です。
前回のブログ「Pythonで可視化!鉛直断面図だからわかる台風23号の構造①下層と中層でズレる渦」では、TeamSABOTEN初のプログラミング教材「Pythonで気象GPVデータを可視化しよう」の教材制作者、Python先生こと佐野栄治さんが作成してくださった台風23号の鉛直断面図から、渦の中心軸が下層と中層~上層でズレていることについて見てみました。また、台風中心のすぐ南にある対流雲域の中層~上層で、上昇流域の広がりと湿潤域が対応していることも確認しました。
今回は、台風の中心と高高度まで発達する対流雲域の相当温位の鉛直断面図を見てみます。
その前に、前回(①)のブログをまだご覧になっていない方は先にお読みください。
TeamSABOTENのYoutubeチャンネル【気象専門STREAM. 】の【スーミン衛星センター】~10月の台風23号を深掘り~では、台風23号を気象衛星画像や気象レーダーで振り返っています。こちらも先にご覧いただくと、台風の特徴と動きを把握できます。
■台風中心は357K以上!水蒸気たっぷりの高相当温位の空気


10月9日12時、台風23号の中心気圧は1000hPa。
可視画像を見ると、台風の中心は下層雲の渦のみで、台風中心の南南西に発達した対流雲域があり、台風の鉛直構造は崩れた形になっています。
雲の発達具合から対流雲域の方が暖かく湿った空気が流れ込んでいそうですが、この予報時刻の[温度・相当温位・風]の鉛直断面図(上図の左下)を見ると、対流雲域よりも台風の中心から北側の下層(800hPa付近から地上)で351K以上の高相当温位域になっています。特に台風中心には357K以上と非常に暖かく湿った空気があります!
一方、対流雲域(前3時間降水量が計算されている領域)の下層では、相当温位の値が相対的に低くなっています。さらに、[鉛直流・風]の鉛直断面図(上図の左上)と照らし合わせると、対流雲域の下層は下降流域(図中のピンクの破線円)となっています。
このときの台風23号は、中心部分に下層雲の渦のみで、勢力も強くありませんが、相当温位の鉛直断面図からは下層に台風の発達に不可欠な水蒸気をたぷっりと含んだ暖かく湿った空気を保持していることがわかります。また、南側の対流雲域は、全体的に下層から発生・発達しているのではなさそうです。前回のブログで見た通り、対流雲域は中層から上層で大きく広がって発達しているように見えます。
どちらも気象衛星画像だけでは読み取れないことですね。
台風23号は、このあと南西諸島の東へ進み、少しずつ勢力を強めてきます。
次のブログでは、10月10日12時~11日0時に着目して、台風の変化を鉛直断面図と各等圧面天気図から見てみたいと思います。
お楽しみに。
この記事を書いた人
TeamSABOTEN 気象予報士・気象防災アドバイザー 奥田純代
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