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【実技の問1 虫食い問題かんたん解説】第64回気象予報士試験<実技2>

更新日:10月20日

気象予報士受験生の皆さん、勉強頑張っていますか?

TeamSABOTENの島下尚一です。 このシリーズでは、実技試験の問1で必ず出題される気象概況の虫食い問題について、簡単に、わかりやすく、そして正確に解説します。

問1(1)の配点は10点前後。しっかり点を取って勢いをつけていこう!


■第64回気象予報士試験<実技2>

実技2問1(1)


第64回気象予報士試験  実技2  問1  地上天気図
画像1 試験問題の図1と同じ日時の地上天気図

 10日21時の日本付近の気象概況について述べた次の文章の空欄( ① )~( ⑪ )に入る適切な数値または語句を答えよ。ただし、②は16方位を漢字で、⑥⑪は下枠の中から選んで、⑧⑨は十種雲形を漢字で、⑩は全般海上警報・予報で用いる地名を漢字で答えよ。


図1の地上天気図によると、東シナ海には、東西にのびる停滞前線上に低気圧があり、( ① )ノットの速さで( ② )へ進んでいる。この低気圧に対して( ③ )警報が発表されており、風速( ④ )ノット以上( ⑤ )ノット未満の風が吹いているか、今後24時間以内に吹くと予想されている。停滞前線付近の名瀬では、現在天気は( ⑥ )雨、過去天気は( ⑦ )、また、停滞前線の北側の鹿児島では、下層で悪天候下にみられる( ⑧ )または( ⑨ )が観測されている。

図2の500hPa解析図によると、( ⑩ )、中国東北区および華北に低気圧がある。華北の低気圧付近から四国の南にかけては正渦度域が広がっている。

図3の気象衛星赤外画像によると、東シナ海の低気圧の東から南東にかけて活発な対流雲がみられる。東シナ海の低気圧に伴う上層雲のバルジは( ⑪ )である。


選択肢

⑥( 弱い 並の 並又は強の 強い 激しい )

⑪(明瞭 不明瞭)


■①~②は天気図から読み取る

東シナ海にある低気圧中心の上に描かれた白抜き矢印の向き、その右の速度表記を読む。

① 15

② 東北東


■③④⑤は海上警報の種類と発表基準を覚えていれば解ける

 <学習のヒント>海上警報は頻繁に出題されるので条件も含めて完璧に暗記すること


海上警報の種類
画像2 気象庁HPより

記号[GW]

③ 海上強風

④ 34

⑤ 48


■⑥~⑦は記号から天気を読み取る

<学習のヒント>記号の読み取りはよく出題されるのでしっかり覚えたほうがよい

天気図記号
画像3 気象庁HPより

⑥名瀬の現在天気は中央の△の左の記号を読み取る。


天気図記号  名瀬の実況
画像4 名瀬の気象観測情報

天気記号  現在天気
画像5 気象庁HPより

ww=61は「弱い雨」なので、答えは選択肢から「弱い」となる。


現在天気
画像6 気象庁HPより

⑦名瀬の過去天気は画像4の中央△右下の記号を読み取る。


天気記号 過去天気
画像7 気象庁HPより

名瀬は有人観測所。過去天気W1=6は「雨」である。


■⑧~⑨は記号から雲の形を読み取る


天気記号 鹿児島の実況
画像8 鹿児島の気象観測情報

雲の形の記号
画像9 気象庁HPより

⑧⑨鹿児島の下層雲は中央の丸の下の記号を読み取る。<--->は「層雲」「積雲」である。


■⑩は日本周辺の地域名、海域名を覚えていれば解ける

全般気象情報などに用いるアジア・北西太平洋域の地名、海域名

全般気象情報などに用いるアジア・北西太平洋域の地名、海域名
画像10 気象庁HPより

全般気象情報などに用いる日本付近の地名、海域名

全般気象情報などに用いる日本付近の地名、海域名
画像11 気象庁HPより

⑩は下の画像12から大陸にあるLスタンプの地域名を読み取る。


第64回気象予報士試験   実技2   500hPa天気図
画像12 試験問題の図2と同じ日時の500hPa天気図

南から順に華北、中国東北区、そして⑩の対象となるLは「沿海州」である。


■⑪は学科専門分野の知識(気象観測:気象衛星画像のみかた)

<学習のヒント>気象衛星センターのHPに掲載されている事例集はとてもわかりやすく教材としてオススメ

学習のために読んでから先へ読み進めてください。

気象衛星センター/画像活用/


気象衛星センター
画像13 気象衛星センターHPより

気象衛星センターの解説にみられるようなバルジはみられるだろうか。

気象衛星赤外画像
画像14 試験問題の図3と同じ日時の気象衛星赤外画像

⑪は選択肢から「不明瞭」となる。


第64回試験の実技2問1(1)の虫食い問題は全部正解すれば11点獲得できる。合格率5~6%の難関を突破するには、このような基本的な学習で獲得できる得点を、きちんと積み重ねていくことがとても重要である。ASASアジア太平洋天気図の見方、高層天気図の見方、気象衛星画像の見方を覚えるだけなので、実技の初歩としてしっかり学習しておこう。



この記事を書いた人

TeamSABOTEN気象予報士スクール

気象予報士・防災士 島下尚一



気象業務支援センターによる公式解答が9月3日(水)に公開された。

サボテンではその日にすぐ、公式解答に基づく解説ライブをオンラインで開催。

その授業のようすを編集して動画教材にした。

無期限で何度でも視聴できるので実技問題の解き方を徹底的にマスターしよう。

第64回気象予報士試験 実技解説動画


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TeamSABOTEN 気象予報士スクール

当スクールでは、学科分野から実技分野まで気象予報士試験に合格できる様々なオンライン講座をご用意しています。 また、長年 オリジナル模擬試験も作成・販売しており、 “ 気象の本質がよくわかる ” と 受験生に大好評です。 気象予報士の資格取得後は、気象の専門家を目指してスキルアップできる環境も整っています。


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