【実技の問1 虫食い問題かんたん解説】第58回気象予報士試験<実技1>
- 奥田純代

- 2025年9月28日
- 読了時間: 4分
更新日:1月16日
こんにちは。TeamSABOTENのスクール講師・奥田純代です。 このシリーズでは、実技試験の問1で必ず出題される気象概況の虫食い問題について、簡単に、わかりやすく、そして正確に解説します。
今回は、第58回気象予報士試験<実技1>です。2021年2月15日~16日にかけて、低気圧が急速に発達した事例です。
■第58回気象予報士試験<実技1>
実技1問1(1)

15日9時の日本付近の気象概況について述べた次の文章の空欄( ① )~( ⑬ )に入る適切な語句または数値を答えよ。ただし、①④⑤⑥⑦⑧⑩は整数、②⑨は16方位、③は漢字、⑪⑬は下の枠内から1つ選び、⑫は正負の符号と単位を付した数値を答えよ。
図1によると、紀伊半島沖に中心気圧990hPa の前線を伴った発達中の低気圧があり、( ① )ノットの速さで( ② )へ進んでいる。全般海上警報では、この低気圧に対して( ③ )警報が発表されており、今後( ④ )時間以内に最大風速が( ⑤ )ノットに達すると予想されている。また、全般海上警報の対象期間である今後24時間以内に、この低気圧に伴って( ⑥ )ノット以上の風が吹く可能性のある領域は、低気圧中心の南側( ⑦ )海里以内と北側( ⑧ )海里以内である。日本海にも低気圧があり、( ⑨ )へ進んでいる。
図2(下)によると、紀伊半島沖の低気圧に伴う温暖前線及び寒冷前線は、850hPa面の( ⑩ )℃の等温線に概ね対応している。この前線に伴う等温線の集中帯の温度傾度は、温暖前線の方が寒冷前線よりも( ⑪ )。また、北海道北部から朝鮮半島北部にかけて、850hPa 面の温度傾度の大きい領域が見られ、そこも前線帯になっている。この前線帯上で、700hPa 面の鉛直p速度が( ⑫ )の極値を示す地点は、850hPa 面の( ⑬ )の中心付近に位置する。
選択肢
⑪ ( 大きい 小さい )
⑬ ( 高気圧性循環 低気圧性循環 )
■①~⑧は付記された情報を読み取る
<学習のヒント>情報の内容、海上警報の記号の意味はミスなく答えられるようにしよう

付記されている情報
DEVELOPING LOW 発達中の低気圧
[中心気圧] 990hPa
[中心の緯度経度] 北緯33度 東経136度
[進行方向 速度] 北東 45ノット
[今後18時間以内に30ノット~65ノットの風が見込まれる範囲]
1400海里 南側半円 / 800海里 北側半円
※問題に関わる所を黄色ハイライトにしています
この情報を読み取ると、低気圧の周辺海域では18時間以内に、最大風速65ノットが見込まれ、30ノット以上の範囲は低気圧の南側半円で1400海里、北側半円で800海里となっています。
紀伊半島沖の低気圧には[SW]という記号が付いています。これは、海上暴風警報が発表されているという意味です。
① 45
② 北東
③ 海上暴風
④ 18
⑤ 65
⑥ 30
⑦ 1400
⑧ 800
■⑨は地上天気図から読み取る
日本海にある低気圧の左側に描かれた白抜き矢印の向きを読む
⑨ 北東
■⑩~⑬は850hPa天気図から読み取る
<学習のヒント>地上の低気圧や前線を描き込んでみるとわかりやすい

低気圧の中心や前線を記入してみると等温線との関係を見出しやすくなります。
温暖前線と寒冷前線は、おおむね12℃線に対応していることがわかります。
この前線に伴う等温線の集中帯は、温暖前線付近で見るとわかりやすく、6℃~12℃線が混み合っています。一方、寒冷前線の北側は等温線の間隔が広がっており、温度傾度は温暖前線の方が寒冷前線より大きいことが読み取れます。
また、北海道北部から朝鮮半島北部にかけての温度傾度の大きい領域(上図の黄色の領域)で、700hPa面の鉛直p速度に見られる極値は-38hPa/hであり、その周辺の風向(赤い矢印)から850hPa面の低気圧性循環の中心付近であることがわかります。
⑩ 12
⑪ 大きい
⑫ -38hPa/h
⑬ 低気圧性循環
第58回試験の実技1問1(1)穴埋め問題はいかがでしたか。
空欄13個のうち7個は、発達中の低気圧についての情報を読み取るだけで得点できます。 海上警報の記号と併せてミスなく読み取れるようにしましょう。
次回は実技2です。
この記事を書いた人
TeamSABOTEN 気象予報士・気象防災アドバイザー 奥田純代
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