【実技の問1 虫食い問題かんたん解説】第55回気象予報士試験<実技1>
- 奥田純代

- 2025年10月6日
- 読了時間: 5分
こんにちは。TeamSABOTENのスクール講師・奥田純代です。 このシリーズでは、実技試験の問1で必ず出題される気象概況の虫食い問題について、簡単に、わかりやすく、そして正確に解説します。
今回は、第55回気象予報士試験<実技1>。2018年3月8日~9日、低気圧が発達しながら日本海側を通過する事例です。
■第55回気象予報士試験<実技1>
実技1問1(1)

8日9時の日本付近の気象概況について述べた次の文章の空欄( ① )〜( ⑩ )に入る適切な語句または数値を答えよ。ただし、①⑤は16方位、③は8方位、②⑥⑧は整数、⑩は符号を付した数値を答え、④⑦⑨は下枠の中から最も適切な語句を1つ選んで答えよ。
8日9時の地上天気図では、対馬海峡に中心気圧1008hPaの前線を伴った発達中の低気圧があり、20ノットの速さで( ① )へ進んでいる。この低気圧の中心から温暖前線が関東の南へのび、寒冷前線が南西諸島に沿って台湾の近くまでのびている。
北海道のはるか東に、中心気圧( ② )hPaの高気圧があり、北日本に張り出している。東日本と北日本には高気圧縁辺の( ③ )風が吹きつけ、脊梁山脈の風上側に気圧の( ④ )が形成されている。
鹿児島では、( ⑤ )の風が( ⑥ )ノットの強さで吹き、( ⑦ )による雨が降っている。前( ⑧ )時間における気圧変化傾向は( ⑨ )、気圧変化量は( ⑩ )hPaであった。
選択肢
④ ( 尾根 鞍部 谷 )
⑦ ( 対流雲 層状雲 )
⑨ ( 上昇 上昇後一定 一定 下降 下降後一定 )
■①②は地上天気図に付記されている情報から読み取る
①低気圧の移動方向は、白抜きの矢印が緯度・経度線に対してどれくらいの角度なのかを読み取る。
「16方位」で答えるよう指定されており、この問いでは「東北東」か「北東」で迷いそうだが、どちらともとれるような微妙な方位の場合は、解答も幅を持たせて“どちらとも正解”とすることが多い。ここではあまり悩まず、自分が読み取った方位を答えよう。
②高気圧の中心気圧は、中心の✕印の左下に書かれている値を読み取るだけ。
① 東北東(北東でも正解)
② 1044
■③④等圧線や観測実況から読み取る
<学習のヒント>等圧線の形状に着目し、周囲より気圧が高いのか、低いのかを読み取ろう

③北日本・東日本に吹き込む高気圧縁辺から風の風向を、問題の指示に従って8方位で考える。等圧線の形状と、稚内や釧路、秋田の観測実況から風向は、南東風(画像2の赤い矢印)と推測できる。
④脊梁山脈の東側から関東にかけて等圧線が凸になって、周囲よりも気圧が高くなっていることから「気圧の尾根」(画像2の青線)であることがわかる。
③ 南東(東でも正解)
④ 尾根
■⑤~⑦は鹿児島の観測実況から読み取る




⑤風向は矢羽の向きから「南東風」。※「16方位」で答えるよう指定されている
⑥風速は長矢羽となっていることから「10ノット」とわかる。
⑦は現在天気(全雲量の左側にある記号)を見ると80番の「弱いしゅう雨」であることがわかる(画像5,6を参照)。「しゅう雨」は対流性の雲から降るため、選択肢から適切な語句を選ぶと「対流雲」となる。
⑤ 南東
⑥ 10
⑦ 対流雲
■⑧~⑩は観測実況の気圧変化から読み取る
⑧観測実況に記入されている気圧変化は、前3時間における変化を示している。
⑨観測実況に記入されている気圧変化傾向の記号は、画像7の下から3番目の記号と同じで、「下降後一定 または下降後緩やかに下降」となる。この問いでは選択肢から適切な語句を選ぶよう指定されているため、「下降後一定」となる。記号の意味はまとめて覚えておくとよい。

⑩気圧変化量は、符号を含む数値で示されており、0.1hPa 単位となっている。
よって、 [-22]は[-2.2hPa]となる。問題文に「符号を付した数値」を答えるよう指定されるため、符号も忘れずに付けよう。
⑧ 3
⑨ 下降後一定
⑩ -2.2
第55回試験の実技1問1(1)穴埋め問題はいかがでしたか。
ほとんどが学科の知識で答えられる問題です。全問正解できるように定義等はしっかり覚えましょう。
次回は実技2です。
この記事を書いた人
TeamSABOTEN 気象予報士・気象防災アドバイザー 奥田純代
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