<実技>落としたくないポイント②観測グラフ~第66回気象予報士試験から~
TeamSABOTENのスクール講師・佐々木恭子です。
1回目はウィンドプロファイラ観測について紹介しました。
2回目の今日は観測グラフについてです。観測グラフに関しては、毎回出題されるものですから、こちらもしっかり得点したいところです。特に、時刻や降水量の読み取りなどは、絶対に落としたくないですね。
■観測グラフの降水量の読み取り
時系列で示された観測グラフでは、気象要素の単なる読み取りの問題も多く出題されます。しかも、観測グラフ内には複数の気象要素が盛り込まれており、左軸と右軸でスケールが異なる場合があります。今回は第66回気象予報士試験・実技2の図14に、風向・風速、気温、気圧、10分間降水量と4つの要素が盛り込まれていて、左軸に気圧、右軸に気温、風速、降水量が示されていました。

簡単なのに間違いやすいのが降水量や降雪量の読み取りです。これらは瞬間値を示せないため、普通「前1時間(もしくは前10分間)降水量」で示されています。もちろん、グラフ中や欄外にデータの内容について詳細が書かれていますが、いちいち読み込む時間はありませんので、覚えておくと便利です。
<1時間最大降水量・3時間最大降水量などは毎正時ではない>
降水量の「前1時間(前10分間)」とは、「その時刻までに」観測された量を指します。例えば、実技2のグラフでは(画像1を参照)、10分間降水量の最大値が観測されたのは「17時10分」までの10分間で12.5ミリ(図中の赤矢印)となります。では、このグラフの中で1時間最大降水量の起時と降水量を問われたら、どう考えたらよいでしょうか。
1時間降水量は、必ずしも毎正時に観測されるわけではありませんので、6本の連続した10分間降水量の棒グラフのうち、最大量になるところをピックアップして、その合計の降水量と観測された時刻を読み取るということです。
まずは、先ほど着目した10分間降水量の最大値と、それを含む合計の降水量が最大になる6本をピックアップしてみます(図中の赤破線)。これらの値を合計し、一番最後の時刻(青色の吹き出し)を読み取ります。こうして、1時間降水量の最大値は17時30分までの48ミリであると導き出すことができます。これは棒グラフが1時間降水量で「3時間最大降水量を答えよ」などという問題でも同様です。
<「通過したと判断できる最初の時刻」とは>
観測グラフについて頻出の問題の一つが、前線やシアーラインの通過時刻の読み取りです。問題には「通過したと判断できる最初の時刻」という指定があります。それは一体どのような時刻なのでしょうか。
そもそも前線やシアーラインは、線とはいえ幅を持つもので、通過時には風向・風速、気温などの気象要素がグラデーションで変化します。こうした幅のあるものの通過に対して、変化の途中ではなく、「完全に通り過ぎて異なる気団内に入った」最初の時刻を読み取るということです。
例えば、画像1の期間では夜間に寒冷前線の通過があり、気温が急降下しているタイミングで、風向は南西から西風へ大きく変化しています(図中の青矢印)。変化の最中ではなく、「変化し終わった」21時30分を読み取るということです。ちなみに、気温が大きく変化した21時30分以降もだらだらと気温が下がっていますが、これは前線が寒気側に傾いているためです(寒冷前線の寒気側に温度傾度がありますよね)。
このように、観測グラフも読み取りだけでグラフ単独で解答できる問題も多数出題されます。TeamSABOTENではよくお話ししていることですが、長文の記述や作図などに時間を大幅に取られてしまうよりも、確実に点を取れる所で落とさないようにする、その一つはこのような観測グラフの読み取りです。もったいないミスを減らして、得点を重ねましょう!
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この記事を書いた人
TeamSABOTEN気象予報士スクール
気象予報士・防災士 佐々木恭子
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