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【学科専門かんたん解説】第66回気象予報士試験 専門 問4:数値予報モデル(全球モデルとメソモデル)

18 時間前
読了時間: 5分

こんにちは。TeamSABOTENのスクール講師・奥田純代です。

第66回気象予報士試験 学科専門知識の問題を一問ずつ解説する【学科専門かんたん解説】。今回は、問4:数値予報(全球モデルとメソモデル)の問題を解説します。問1~問3の解説も公開中です。


問題を解くうえで参考になる気象庁HPの情報や資料等を用いて解説しますので、復習や今後の学習にも活用してください。


■第66回気象予報士試験 学科専門 問4


第66回気象予報士試験 学科専門 問4
画像1 学科専門知識 問4(出典:(財)気象業務支援センター)

問4は、数値予報の全球モデルとメソモデルについての問題です。

まず、全球モデルとメソモデルの水平格子間隔と予測対象を確認しておきます。


<全球モデル>

水平格子間隔:約13km

高気圧・低気圧や台風、梅雨前線などの水平規模が100km前後およびそれ以上の現象を対象

<メソモデル>

水平格子間隔:5km

集中豪雨をもたらす組織化された積乱雲群など水平規模が数10km以上の現象を対象


数値予報モデルが対象とする現象の水平および時間スケール
画像2 気象庁の数値予報モデルが対象とする気象現象の水平および時間スケール 気象庁HPより

なお、この問題では問われていないが、局地モデルは令和8年3月17日より水平格子間隔が2kmから1kmに高解像度化されている。古い資料や図は変更されていないものもあるため注意。


では(a)から順に見ていきましょう。


(a)全球モデルの水平格子間隔は上記で確認した通り「約13km」で正しい。この水平格子間隔よりもスケールの小さい積雲や乱流などは、 そのふるまいを格子点値に直接表現できないが大気に影響を及ぼす。このため全球モデルでは、スケールの小さい積雲や乱流などの影響をパラメタリゼーションを用いて格子点値に反映させている。(画像3参照)よって、(a)は正しい。


物理過程のパラメタリゼーション
画像3 物理過程のパラメタリゼーション 気象庁,令和7年度数値予報解説資料第1章基礎編1.4.1「大気モデル」p.53

(b)メソモデルの水平格子間隔ははじめに確認した通り「5km」で、目的も問題文の通り正しい。また、メソモデルは、静力学平衡の近似を仮定した全球モデルと違って、水平スケールに対して鉛直スケールは無視できないため非静力学モデルに基づく方程式を用いている。非静力学モデルは、鉛直流を鉛直方向の運動方程式から直接計算することができるので、(b)は正しい。(画像4参照)

因みに、全球モデルは鉛直流を連続の方程式と水平方向の運動方程式から求めている。これについては、第62回試験の専門問4(b)に出題されている。併せて復習しておくとよい。


数値予報モデル 基礎方程式
画像4 数値予報モデルで用いられる物理法則の基礎方程式 気象庁,令和7年度数値予報解説資料第1章基礎編1.4.1「大気モデル」p.45(一部加筆)

(c)メソモデルは、予測領域の境界で全球モデルの予測結果を用いており、その影響は時間と共に領域内部へ伝わる。このため、全球モデルの影響は予報時間が長くなるほど大きくなる。(画像5参照)よって、(c)は誤り。


領域モデルへの親モデルの影響 境界値
画像5 領域モデルへの境界値を通じた親モデルの影響 気象庁,令和7年度数値予報解説資料第1章基礎編1.9.1「数値予報の留意点」p.277

 以上より、問4の答えは②となる。

 

 今回のような数値予報モデルの水平格子間隔や用いられているパラメタリゼーションについてはよく出題されますが、全球モデルの水平格子間隔は令和5年3月に、局地モデルは令和8年3月に高解像度化され、変更されています。古い資料や過去問で学習するときは、こういった変更点に注意が必要です。なお、数値予報に関する変更は、気象庁HPの[知識・解説]>[数値予報]>[数値予報課全の取り組み]に「主な改善やプロダクトの変更履歴」が参考になります。ぜひ活用しましょう。



この記事を書いた人

TeamSABOTEN 気象予報士・気象防災アドバイザー 奥田純代



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