【学科専門かんたん解説】第66回気象予報士試験 専門 問3:電波や光を利用した観測機器
こんにちは。TeamSABOTENのスクール講師・奥田純代です。
第66回気象予報士試験 学科専門知識の問題を一問ずつ解説する【学科専門かんたん解説】。
今回は、問3:電波や光を利用した観測機器の問題を解説します。
問1:推計気象分布、問2:ラジオゾンデ観測の解説も公開中です。ぜひ参考にしてみてください。
問題を解くうえで参考になる気象庁HPの情報や資料等を用いて解説しますので、復習や今後の学習にも活用してください。
■第66回気象予報士試験 学科専門 問3

問3は、電波や光を利用した観測機器についての問題です。
この問題は、それぞれの観測機器が何を観測しているのかを知らないと解けないので、確認しながら見ていきましょう。
(a)ドップラーレーダー
ドップラーレーダーは、アンテナから電波を発射して、雨や雪などの降水粒子から反射して戻ってきた電波の強さから降水強度を観測する機器であり、また、戻ってきた電波の周波数のずれ(ドップラー効果)を利用して降水域の風を観測することができる。これより、観測対象ア~オのうち、あてはまるのはア:降水強度分布となる。

(b)地上マイクロ波放射計
地上マイクロ波放射計は、令和4年度に西日本と太平洋沿岸域を中心に設置され、令和6年から数値予報システム(メソ・局地解析)で利用が開始された観測機器である。(画像3参照)地上マイクロ波放射計は、大気中の水蒸気や雲などが発する微弱な電磁波の強さを測ることで、上空の水蒸気の量や分布などを知ることができる。(画像4参照)よって、観測対象はウ:上空の水蒸気量である。


(c)シーロメーター
シーロメーターは、航空気象観測で利用されている観測機器で、上空に発射したレーザー光が雲で反射して戻ってくるまでの時間を計測して雲底の高さを算出している。(画像5参照)よって、観測対象はオ:雲底の高さとなる。

(d)ドップラーライダー
ドップラーライダーは、レーザー光を大気中に発射し、エーロゾルの動きを捉えた散乱光を探知する観測機器である。降水粒子よりも小さいエーロゾルの動きを捉えることによって、降水を伴っていないときでも上空の風を観測することができる。(画像6,7参照)よって、観測対象はエ:非降水時における風の分布や低層ウィンドシアーとなる。


以上より、問3の答えは②となる。
シーロメーターやドップラーライダーといった航空気象観測については、気象庁HPの[知識・解説]>[航空気象]>[空港における気象観測]のページを参考にするとよい。シーロメーターやドップラーライダーについてもページ内のリンクから確認できる。
地上マイクロ波放射計は、比較的新しい観測機器である。こうした新しい観測機器の導入や運用については、見逃さないように普段から気象庁HPのトップページの「報道発表」等をよくチェックしておこう。
今回のような普段の学習ではあまり出てこない観測機器について問う問題は、過去にも同じ形式(観測機器と観測対象との組み合わせ)で定期的に出題されている。今回出題された観測機器について知らなかったという場合は、これを機会にしっかり覚えておこう。
この記事を書いた人
TeamSABOTEN 気象予報士・気象防災アドバイザー 奥田純代
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