【実技の問1虫食い問題かんたん解説】第66回気象予報士試験<実技1>
- 佐々木恭子

- 4 時間前
- 読了時間: 6分
TeamSABOTENの佐々木恭子です。
気象予報士試験の実技分野は、ほぼ必ず穴埋め問題から始まります。ここをサクサク解答できると、いいスタートダッシュが切れて、その後の問題にもリズムよく入っていけます。
「ここは必ず取る。絶対に落とさない!」――そんなつもりで臨みましょう。
第66回気象予報士試験<実技1>問1(1)の解説です。
■第65回気象予報士試験<実技1>
実技1問1(1)

(1)12日9時の日本付近の気象概況について述べた次の文章の空欄( ① )~( ⑫ )に入る適切な語句または数値を答えよ。ただし、①は16方位で、③④は整数で、⑤⑨⑪⑫は下の枠内から最も適切なものを1つ選び、⑦は漢字で答えよ。
図1 によると、北海道には中心気圧972hPaの低気圧があって( ① )へ( ② )ノットの速さで進んでおり、24時間後の13日9時には北緯( ③ )°東経( ④ )°を中心とする半径( ⑤ )海里の範囲内に進むと予想されている。その確率はおよそ( ⑥ )%である。また、この低気圧には( ⑦ )警報が発表されており、最大風速は( ⑧ )ノットである。輪島では( ⑨ )雪を観測し、東京の天気は( ⑩ )となっている。
図2によると、北海道の低気圧に伴う雲域は、雲頂高度の高い雲が低気圧中心の北~東側に偏り、南側から低気圧の中心付近まで雲頂高度が低く、全体としてコンマ形状の雲パターンとなっている。このことは低気圧が( ⑪ )期であることを示している。また、日本海や日本の南海上には対流雲で構成された多数の雲列が平行に並んでいる。これは( ⑫ )と呼ばれ、雲列の走向は概ね下層風に平行となっている。
選択肢
⑤( 50 85 120 150 )
⑨( 弱い 並の 強い )
⑪( 発達 最盛 衰弱 )
⑫( クラウドクラスター 筋状雲 波状雲 )
■①~②はDEVELOPING LOWの記事から読み取る

1行目から順に↓
[発達中の低気圧]
[中心気圧] 972hPa
[中心の緯度経度 中心位置の確度] 北緯44度 東経144度
[進行方向 速度] 北 10ノット ← ①②
[30~55KTの風の範囲] ← ⑧
低気圧中心から1200海里以内の南西側半円と600海里以内のその他半円
解答は、「北海道にある中心気圧972hPaの低気圧は①北へ②10ノットの速さで進んでおり、」
となります。
■③~⑧は「海上暴風警報」が発表されている低気圧に付随する情報


<学習のヒント>海上警報は必ず出題されるので条件も含めて完璧に暗記しよう
そもそも、①②の解答に用いた情報は、海上暴風警報(⑦)級以上に発達する、あるいは発達している低気圧に対して付記されるものです。このような低気圧には、12時間後、24時間後に低気圧の中心が進むと予想される範囲が破線で示されます予報円がつきます。台風と同様、予報円の範囲内に進む確率は⑥70%です。
24時間後に予想される予報円は「130000Z」という表示のある円です。この予報円の中心の緯度・経度を読み取ると、解答は「北緯③45°東経④151°」となります。また、予報円の半径は天気図内の緯度10°分が600海里に相当(または1110km)することから計算します。従って、画像3に示した緑矢印の長さ(予報円の半径)と青矢印の長さの比から、予報円の半径は⑤85海里であることを算出することができます。
なお、海上暴風警報の基準となる最大風速は画像3に示した通り48KT以上ですが、この問題では「この低気圧の最大風速」について問われているのであり、発表基準が問われているのではありません。付記情報によると(画像2を参照)WINDS 30 TO 55 KTとありますので、最大風速は⑧55ノットとなります。
解答は次の通り
③45 ④151 ⑤85 ⑥70 ⑦海上暴風 ⑧55
■⑨⑩は天気記号を読み取る
<学習のヒント>記号の読み取りはよく出題されるので読み方をしっかり覚える

矢羽根の先端は地点円といいます。△で囲まれた地点円は、自動観測であることを示しており、天気記号はwawaを読み取ります。


輪島の現在天気は、wawa=71です。これは、解説によると「雪,弱」となっていますので、下の枠内から⑨「弱い」を選択します。また、東京は輪島のような降水などの大気現象は観測されていませんので、地点円に示される雲量で天気を解答します。

雲量0~1の天気は「快晴」、雲量2~8は「晴」、雲量9以上は「曇」です。東京の雲量は「1」なので、天気は⑩快晴となります。
■気象衛星画像から⑪は低気圧の発達段階の読みとり、⑫は雲の名称について
<学習のヒント>低気圧の発達段階を示す特徴は、天気図に現れる特徴と合わせて覚える

北海道の低気圧に伴う雲域は、低気圧の北から東側にかけて(画像9の黄色破線内)中心を囲むコンマ状に真っ白な雲が分布しています。赤外画像で真っ白であることは、輝度温度が低く、雲頂高度の高い雲域であることを示します。一方で、中心の南側~南東側にかけて、相対的に輝度温度の高い雲が回り込むように分布しており、密度も低いことが分かります。これは、低気圧中心の南側から南東側まで、乾燥した空気が流入しており(乾燥貫入)、低気圧が閉塞過程に入っていることを示します。閉塞過程に入った低気圧は、発達のピークを迎えている状態であり、この雲域は低気圧⑪最盛期であることを示しています。

また、画像9内で青破線で示した北西~南東の走向を持つ雲域は⑫「筋状雲」と呼ばれます。大陸から吹き出す寒気が温かい海上で潜熱・顕熱の補給を受けて気団変質し、対流混合することでできた対流雲です。下層風の風向が北西風で鉛直方向に揃い、風速は上空に向かって強い(鉛直シアー)ことでできる水平ロール状対流により、このような走向になります。雲の発生の仕組みと合わせて、形状の理由も覚えておきましょう。
第66回試験の実技1問1(1)の虫食い問題は全部で12問。難しい計算などはなく、学科の知識だけで確実に取れるものです。1問も落とさないように、暗記する所はしっかり暗記するなど、知識を確実なものにしておきましょう。
この記事を書いた人
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気象予報士・防災士 佐々木恭子
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