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<実技>落としたくないポイント③寒気移流・暖気移流~第66回気象予報士試験から~

5 時間前
読了時間: 5分

TeamSABOTENのスクール講師・佐々木恭子です。

1回目はウィンドプロファイラ観測、2回目は観測グラフについてみてきました。3回目の今日は、温度移流(寒気移流・暖気移流)についてです。

温度移流の問題は、実技試験において毎回当然のように出題されます。天気図の読み取りで穴埋め問題として出題されたり、移流の大小や変化率が問われたりするなどバラエティーに富んでいます。


■第66回実技1で出題された温度移流の問題


第66回気象予報士試験 実技1 図6 850hPa気温・風、700hPa鉛直流予想図 
画像1)第66回気象予報士試験(実技1)図6 気象業務支援センターより

 

 図の地点アにおける850hPa面の温度移流の種類、温度移流による気温の変化率(地点アの風とそれを挟む2本の等温線を基に1時間あたりの変化率を求める)、24時間後~48時間後にかけての温度移流の強弱について問われました。1か所の温度移流について、あらゆる角度から問われた面白い問題です。


①温度移流の種類

天気図から読み取る、温度移流の基本的な問題です。寒気側から暖気側に向かって等温線を横切り、北西風が吹いていますので「寒気移流」があることが読み取れます。


②温度移流による気温の変化率

気温の変化率を求める方法は、数値予報の中で行われている移流の計算の基本的な考え方です。おや、忘れているなと思ったら、専門分野を復習してみましょう。

2地点間で吹く風の向きに沿う距離差の中に、どれくらいの温度差があるか(傾き)、そこにどれくらいの強さの風が吹いているのか(傾きの方向の風速)を掛けることで変化率を求めることができます。このとき注意すべきは、単位です。1時間あたりの温度変化率を問われることが多いので、風速はノットで計算したほうが簡単そうです。


第66回気象予報士試験 実技1 温度移流
画像2)850hPa気温・風、700hPa鉛直流予想図(地点アの温度移流について)気象業務支援センターより

まず、2本の等温線をピックアップし、そこに吹く風の風向に沿って距離差を求めます。この問題では、地点アを挟む2本の等温線を基にせよとの指示がありますので、-12℃線と-15℃線を使います。


地点アを通る青点線に沿う方向の2本の等温線間の距離は、「緯度10度=600海里」を利用して求めます。すると、約126海里となります。風速は45ノットですから、1時間に45NM(海里)進むので、126海里のうちの大体3分の1を進むことになります。つまり、3℃の温度差のうちの3分の1ですから、変化率は1時間で約1℃となるわけです。きちんと計算をするならば、傾き「温度差(3℃)/距離差(126NM)」に45ノットを掛ければ、約1℃と導き出すことができます。

寒気移流の場合は、1時間あたり-1℃の変化量となります。マイナスを付けるのをお忘れなく。


<気温の変化率を求める問題は時々出題される…>

気温の変化率を求める問題は、しょっちゅう出題されるわけではないので、出ると一瞬ドキッとしそうです。試験中だったら尚更、頭が真っ白になる可能性もあります。

急に出題されても慌てないように、解き方を復習しておきましょう。


③温度移流の強弱

温度移流は、温度傾度が大きく、等温線に交わる風向の角度が大きく、風速が大きいほど大きくなります。


第66回気象予報士試験 実技1 850hPa気温・風、700hPa鉛直流予想図
画像3)850hPa気温・風、700hPa鉛直流予想図(寒気移流の時間変化)気象業務支援センターより

 

 実際の問題では、トラフとの位置関係も含めて温度移流の大小の変化が問われていますが、ここでは地点アの温度移流(寒気移流)の強弱だけに着目します。温度移流の大小関係を踏まえると、13日9時は寒気移流が弱く、13日21時には強まって、14日9時には弱まる予想になっているということです。


■温度移流の問題も大事な得点源!

 このように、温度移流に関する問題はさまざまなパターンで出題されますが、特別難しいことが問われるわけではありません。だからこそ絶対に落としたくないところですね!


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この記事を書いた人

TeamSABOTEN気象予報士スクール

気象予報士・防災士 佐々木恭子



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